菜緒01 – 美脚グラビアモデル菜緒

「菜緒ちゃん、最近、ノッてきてるねぇ」

週刊誌のグラビア撮影の現場で、編集者がマネージャーの保坂に話しかける。

「はい、まだまだ、これからなんスけど、お陰様で、なんとかメディアへの露出が増えてきました」

カシャッ、ピピピピィー

カシャッ、ピピピピィー

菜緒は、撮影スタジオのたくさんの照明の中で、カメラに向かってセクシーなポーズをとっている。

下着風の水着を着た菜緒は、自慢の美脚が綺麗に見えるポーズを連発していた。

「いいよー、、もうちょっとお尻を突き出してみようか、、あ、いいねー、、それでこっち見て、、ニコッ、、はい、いいねー」

カメラマンの指示にも、嫌な顔ひとつせず素直に応じる菜緒だった。

菜緒の所属する芸能事務所は、このマネージャーの保坂と社長の尾崎しかいない小さな会社で、菜緒に社運をかけていた。

というか、この事務所には菜緒しか所属タレントがいなかった。

「なんか気付いたことが、あれば、なんでもアドバイスください、おねしゃすっ!」

保坂は、頭を下げで編集者に媚を売る。

「そうだねぇ、、、菜緒ちゃん、ココまでは美脚で売れてきたけど、、どうしても胸がねぇ、、、」

菜緒は、スレンダーな体にキリッとした顔立ち、そしてなんといっても最大の武器であるスラッとした長い美脚が売りではあったが、胸は小さかった。

「あっ、あざっす、、、そうなんすよねー、、、パイオツが、びみょーに、微乳なんすよねー」

調子のいい保坂は、編集者に合わせて適当な返事をする。

「でもあのドSっぽいとこいいよね、、、、最近いないじゃん、あーゆータイプ」

「さすが見抜きますねぇ、もう隠し事できないなぁ、、、、、彼女、ここだけの話し、超、、、、ドSなんですよ、、」

編集者の斜め後ろコバンザメのようにピタッとくっつく、周りをキョロキョロ見渡しながら耳元にこっそり語りかける。

「あとなんか男には全然興味ありませーんて感じだけど、レズビアンじゃあないよね?」

「いやー、、、レズとかそんなことはないんですけどねぇ、、、確かに男のにはあんま興味無いっすね、、、中学でも高校でも素人なのにファンクラブまであったくらいなんで、モテ過ぎたのかなあ」

保坂自身もそこには個人的に興味があったので、腕組みをしながら撮影中の菜緒を見ながら真剣に考えていた。

「あ、でもほら、、、最近のご時世、、、不倫だなんだうるさいから、そうゆう意味では、、、ゴシップとは無縁なんで、そこだけは安心してください」

「まぁねぇ、、それも大事だけど、、まったく無縁ってのもね、、、あんだけのパーフェクトバディなのに、やらしさ全然ないじゃない、、、、そうゆうとこに滲み出るからねぇ、、」

「まだ、18っスから、、これからどんどん成長しますんで、どうか暖かく見守ってやってください、、おねしゃースッ」

あまりにも軽い保坂に、編集者も呆れた表情だった。

「お疲れ様でした~」

撮影を終えた菜緒が、作り笑顔でスタッフに挨拶をしながら保坂の元に寄ってくる。

「菜緒ちゃん、お疲れ、、、今日も、可愛かったよ~」

保坂の心のこもっていない言葉を無視して、手に持ったペットボトルを保坂に手渡す。

保坂の前を素通りして足早に控室に向かう菜緒を、周りにペコペコお辞儀をしながら付いていく。

「はい、これ、、残すと悪いから、飲んでっ」

人がいない控室に入ったところでくるっと振り返ると保坂の方を向いて仁王立ちをしてペットボトルを差し出した。

ほとんど口を付けていない炭酸飲料を渡され、保坂は悪い予感がした。

「保坂~、、私、炭酸は苦手なんだから、スタッフに言っとけよ」

菜緒のニヤニヤした笑顔に、悪い予感が確信に変わる。

保坂がプレッシャーに耐え切れずしぶしぶ飲みだすと、菜緒がペットボトルの底を持ち上げて一気に飲ませた。

「うっ、、ぐふっ、、うーっ、、」

苦しそうに飲む保坂を見て、菜緒はケタケタと笑いながら楽しんでいる。

菜緒は、根っからのドSだった。

「山手線の駅名でも言っちゃう?、、、、、さっ、帰ろっか」

菜緒は、何事も無かったかのように歩きだした。

保坂もペットボトルをゴミ箱に捨て、ゲップをしながら小走りで菜緒を追いかける。

菜緒は家出同然で上京してきて、たまたま渋谷のセンター街でこの保坂にスカウトされた。

特にタレントとして野心がある訳でもなく、寮と食事が付いているからこの芸能事務所を選んだだけだった。

菜緒にとってのグラビアモデルの仕事は趣味みたいなものだった。


事務所に着いた2人は、社長に定例の報告を済ませた。

菜緒は興味のない顔で保坂にいれさせたハーブティーを飲みながらソファにあぐらを組んで座っている。

「あ、あと社長、先方の編集さんに、菜緒の胸がねぇーって、また言われちゃいましたね」

保坂の言葉に、社長の尾崎が苦い顔をして頭を掻き毟る。

「保坂よぉ、菜緒の次の生理はいつだ?」

尾崎が菜緒を見ながら、保坂に尋ねる。

「へっ?、、生理?、、菜緒ちゃん、生理いつかって?」

また頭を掻きながら、社長が続ける。

「おいおい、マネージャーが、タレントの体調のこと知らないでどうするよ」

保坂が、菜緒に助けを求めるようにチラッと見た。

「マネージャーさん、しっかりしてくださいよーっ、、、、、社長っ!、、今回はこれで許してくださいっ」

菜緒は、そう言うと机の上にあった輪ゴムを取って保坂の口元に差し出す。

意図を察した保坂は、輪ゴムを咥えると菜緒が輪ゴムを引っ張った。

「えーっとぉ、、生理はねぇ、、、あー、そろそろ始まるかなぁ、、、、そういえば、、ちょっと胸が張ってきたかなぁ」

菜緒は、壁に掛かったカレンダーを見ながら指折り数える。

保坂は、輪ゴムを引っ張った指がいつ離されるのかと緊張して顔をこわばらせている。

「そっかぁ、、、生理前の胸を見て、小さいって言われたんじゃ、救いようがねぇなぁ」

バチッ

「痛てっ」

不意を突かれた保坂は、唇を押さえて菜緒を見上げる。

また、菜緒はケタケタと笑っていた。

「菜緒さんよー、お前さん、オナニーは、ちゃんとしてっかい?」

昭和の良き時代から、子役としてこの業界にいる尾崎は、時より時代劇風な言葉遣いになる。

「はっ?、、なにそれ、、バカじゃないの?、、もう今日は疲れたから上がるねぇー」

菜緒は、自分のカバンを持って立ち上がった。

菜緒02 - 尾崎社長と保坂マネ
「ちょ、ちょっと、待てよ、菜緒、、、お前、彼氏とかはどうなの?、、全然、プライベートで外に出る気配もないけど?」 尾崎の質問にも止まる気配もなく、階段に向かう菜緒。 「私、 別に、男に興味ないし、、、じゃあね、、お疲れさまぁ...