万理03 – いつも前向き万理先生

万理は自分のショーツの中をカメラで収める。

ガチャ

「八栗先生、今日は大漁ですね、またサンプルが届きましたよぉ」

突然、高橋がまた荷物を届けに来たのだ。

万理は慌ててショーツを閉じ、身なりを整えた。

「た、高橋君、手が塞がってるのもわかるけど、ノックくらいしてよ」

慌てたことと、実験の事を隠さなければと思った万理は、不本意だが笑顔で対応してしまった。

「八栗先生、さっきは不機嫌でしたねぇ、何かありました?僕で良ければ相談に乗るので言ってくださいね」

万理の笑顔に、今度は安心した高橋は椅子に座って話し出した。

万理はストップウォッチにチラチラ見ながら、早く高橋を追い出すことを考えていた。

「あれ、さっき届いたサンプルまだ始めてないんですね、珍しい、いつもは水を得た魚のように速攻でやっちゃうのに」

「高橋君、ごめんね、いまバタバタしてるから、箱はそこに置いておいて」

勘のいい高橋は、嘘の付けない性格の万理の反応に、なんか隠していると勘ぐった。

「あれぇ、珍しいてですね、、犬の遺伝子地図よりも優先する事があるなんて、もしかして、男でも出来ました?その机の下に彼氏が隠れてるとか?なんか珍しく白衣の前もボタンが開いてるし」

高橋の鋭い指摘に動揺する万理は、少し怒った態度になる事にした。

「高橋君、いい加減にしないと、本当にセクハラ、、、あ、え、」

言い終わる前に、万理は卵を付着させた陰毛の辺りから、モゾモゾする感触を感じた。

「あ、ほら、いま下を見ましたよね、怪しいなぁ」

と言いながら高橋が近寄ってくる。

「何も隠して無いわよ、好きに机の下なら見ていいから、私は、ちょっとお手洗いに行ってくるから」

そう言って足早に研究室を出て行った。

「なんだ、オシッコ我慢してたのか、それとも生理が始まったか?ふふ、万理ちゃん可愛いー」

高橋の疑いは呆気なく解けて、高橋も部屋を後にする。

万理は廊下を怪しまれないように気をつけながら、早足にトイレへ向かっていた。

まるでオシッコを我慢する女の子ように、内股をモジモジしながら歩いていた。

「やだやだやだやだ、え、嘘でしょ、えー、やだやだ、ムリムリ、、、、、あっ、、、、、、あ、や、嘘」

トイレの手前で万理は立ち止まった。

孵化したと思われるオテイ虫が、モゾモゾと動きだし、そのモゾモゾが膣に入り、いま一番奥に到着した感触があった。

知らない人がみていると、オシッコを我慢している女の子が、トイレの前で漏らしてしまって、どうしていいかわからず立ち止まっているように思うだろう。

とりあえず、万理もそんな事を考えていた。

「いやいや、そんなこと考えてる場合じゃない、、えっ、私、寄生された?」

念のために、そのままトイレに入り、恐る恐るショーツを開くと、そこには、変色し一回り大きくなった抜け殻だけあった。

ショーツを慎重に脱いで、あちこち見たり、手で触ってみるが、どこにも本体が見当たらない。

「あー、私、、、寄生されたわ、、、ま、大丈夫か、体に害は無いって言うし、、、いやいや、あれは100年以上も前のレポートで、さらに犬だから、、、ま、なんとかなるか、、、いやいや、ヤバイでしょ」

万理は、とりあえず落ち着いて考えようと、自販機でいつものカフェオレを買って、研究室に戻った。

「あ、もう高橋は帰ったか、、うぅ~高橋のせいでぇ~」

万理は、この状況の把握と、まずリスクについて考えた。

ここは、幾度も研究中にトラブルを経験している、研究者らしい対応だった。

「宿主に害が無いというのは、いくら昔の実験結果だといっても、何体もサンプル実験してるし信憑性はある、、うん、、、」

「産卵期に宿主の外に出て産卵して死ぬというレポートが本当なら、一生を宿主の体内で過ごす永久寄生種は、宿主を攻撃するような事は自分を殺すこのになるからやらないはず、、、うん、そのはず、、」

「実際に、宿主に危害を与える永久寄生種の事例も少ないわ、、うん、、、」

「モズリー医師も、サナダムシでのダイエット実験を自分の体に寄生させて、なんとも無かったし、、、」

「うん、、、、きっと大丈夫」

万理は、いままでの経験とオテイ虫の知識を総動員させて、頭をフル回転させていた。

オテイコックス
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オテイコックス(オテイ虫、学名:Oteycoccus)とは、1861年にフランスの女性生物学者ジャンヌ・アルヴァ・オテイ(1829年2月11日 – 1861年12月3日)によって発見された直径5~8mm程度の寄生虫である。現在は絶滅種とされており、1862年以降は存在が確認されていない。

概要
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ジャンヌ博士の論文によると、この寄生虫は雌犬の子宮にのみに寄生する。

また、中央アジアの砂漠に住む遊牧民が、古来よりオテイ虫から薬を抽出する技術を持っており、この民族が近隣の民族よりも遥かに寿命が長いのは、この薬の影響が大きいと発表された。

また、それに伴って出生率と性犯罪率が激減することから、長寿の副作用として、生殖本能が減退するという仮説が論文に記されている。

論文と生態
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オテイ虫の生態には諸説あり、栄養を雌の排卵から摂取する説と、雄の精子から摂取する説とがある。精子説は、排卵説に比べ摂取するサイクルが不規則な為に、大方の学者は排卵説を唱える。

また、オテイ虫は、子宮に寄生してから数ヶ月後の産卵期に寄主の体内から外に出て体毛に産卵し、産卵後はそのまま死滅することからも、寄主に危害を与えるような危険な寄生虫ではないとされる。

ジャンヌ博士
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この当時には珍しい女性生物学者のジャンヌ博士は、研究者としての地位を確立するために男装し、男として研究者になったことで知られるが、この論文発表時に突如として女性であること明かす。また、この論文発表の半年後に自宅で薬物自殺をしたことから、謎めいた論文と言われる。

ジャンヌ博士の死後に、現地を視察した研究チームから、すでにこの寄生虫は絶滅していたと発表され、現在に至るまで研究が再開されることもなく、未だに論文の真相は明らかになっていない。

長寿薬は人類にとって永遠のテーマであることから、長寿を得る代わりに子孫繁栄を失うこの薬の事を、まさに人類のトレードオフだと話題にされてきた。現代においても、いくつもの論文で紹介されているが、その多くは悪い意味で引用される。


ウィキフィディア(Wikifictdia)より引用

万理04 - 必死の覚悟で万理先生
「よし、リスクは少ない、、、という事は、こんな希少な事例は、めちゃくちゃチャンスかも、、、このまま、私の中で育って産卵してくれれば、一気に研究の可能性が拡大するわ、、それに、オテイ虫に寄生させた人体のレポートなんて、世界初だもの、、産卵までは、、えーと、、、数...