翌朝、リビングのソファで保坂が寝ていると階段を降りる足音が聞こえて来た。
「おい、マネジャーいつまで寝てるの?」
菜緒が先に起きて保坂を叩き起こすのがこのオフィスでの恒例行事だ。
寝坊をしないように夜更かしをした夜はソファで寝るようにしている。
「おい、、、、お、、、き、、、ろー、、、起きろーっ!」
菜緒が保坂を足蹴りにしながら起こそうとするが、目覚める気配がしない。
保坂は寝起きが悪いうえに、昨晩はあの魔法のコピーラブドールのせいで朝方まで起きていたのでなおさらだ。
「ダメだ、こいつ」
菜緒は諦めて自分で朝食の用意を始めた。
しばらくするとコーヒーとトーストの匂いがリビングに充満した。
「んーーん、、、、、あ、おはようございますー」
朝食の匂いに釣られてやっと保坂が目を覚ました。
「おはようじゃないし、今日、社長は?」
「あー、麻雀から帰って来たのが朝方だから起きてくる昼過ぎだと思います」
菜緒がパンをかじりながらダイニングテーブルに移動する。
保坂はショートパンツから伸びる菜緒のスラっとした脚をみて昨晩のことを思い出した。
慌ててカバンの中に隠したラブドールのマニュアルを探す。
「あった、、、、やっぱ、、、、、、、、夢じゃなかった」
昨晩の朝方まで熟読したマニュアルがそこにはあった。
ということは昨晩のあの完全にコピーされた菜緒の身体も、前戯の練習で20回以上イカせたことも夢ではなかった。
「んー?なにが?」
「あ、いやなんでもないです、、、あっ、今日は先週のオーディションの結果がでますよ、奈緒さん」
仕事の話しをしながらも、菜緒に見つからないようにマニュアルの目次を読み返す。
そこには、各機能が書かれていた。
リンク機能、シミュレーション機能、アタッチメント機能、リミット機能、セーブ機能、オートプレイ機能、そこに書かれたどの機能も細かく読み込み使い方を熟知した保坂であった。
「あのオーディションのドラマってどんな役なの?」
「えっ?、、、あっ、あー、、、、あれはちょい役ですが地上波だしエンドロールには名前が出るそうですよ」
「そうなんだ、、、でもあの主役の男ってなんか目がやらしくてキモイ」
「あー、、、、まーそんなこと言わないで、何事も経験だから」
心ここにあらずの保坂はラブドールのマニュアルに気を取られ、これから試す様々な機能のことを想像するだけで既に下半身が膨張し始めていた。
「あっ、そうだ、、、、、奈緒さん、昨日の夜は、、、えーと、、、、そのぉ、、、なんか変なことなかった?」
「ん?、、、、変なことって?」
魔法のコピーラブドールが菜緒自身になにも影響がないか急に気になった。
昨晩たっぷりと弄んだ身体が本当に菜緒の身体を完全コピーしたものなのかどうかが気になっていたこともある。
「えーっと、、、、なんてゆうか、、、、昨日の夜、、、、、変な夢というか、、、、、霊、、、、そ、そう、、、霊体験をしたというか、、、、不思議なことがあったから、、、」
「えーっ、、、やだ、、、怖い、やめてよ、、、、、何にもなっかったわよ、、、」
「そっか、、、、、ならいいや、、、、、、、あっ」
保坂は何かに気付きラブドールのマニュアルをまた開いた。
(確かリンク機能に続きがあったはず、、、、、、あっ、これだ、、、、、身体リンク機能と感覚リンク機能、、、、、昨日やったのは身体リンク機能だけだった、、、、、、ということは感覚リンク機能をオンにすれば、、、、よーし)
保坂は目を細め、菜緒の後ろ姿を見つめながらニヤついた。
ピピピッ、ピピピッ
その日の夜、物置部屋のベッドに上に置いたラブドールが身体リンクを完了させた音が鳴る。
昨晩、20回以上もラブドールを絶頂に誘い、保坂自身も自らの手で3回の射精をした後でタブレットの電源を切ると元のラブドールに戻った。
保坂の目の前には昨晩同様に菜緒の身体を完全にコピーした裸体が横たわっている。
「よし、、、きょ、今日は、、、、、、感覚リンク機能を、、、、、」
監視モニターに映る菜緒の部屋は既に消灯されて真っ暗になっている。
尾崎社長が寝静まるの待っている間に菜緒が既に寝てしまったのだ。
保坂は生唾を飲むとタブレットの『感覚リンク機能』のボタンを押した。
ピピピッ、ピピピッ
5秒ほど同期中と表示された後のまた安っぽい効果音が鳴った。
心臓の音が高鳴る保坂は、恐る恐るラブドールの乳房を優しく触った。
タブレットの快感ゲージがほんの僅かだが反応があった。
保坂は真っ暗な菜緒の部屋が映るモニターとタブレットを交互に確認しながら乳首を唇でついばんだ。
「これで本当に菜緒ちゃんと感覚がリンクしてんのか?」
昨晩練習した愛撫を思い出し、慎重に両手で左右の乳房を揉みしだきながら乳首の先端を優しく舌先で愛撫した。
その時である、モニターに映し出された菜緒の部屋に電気が灯った。
「えっ」
保坂は驚いてラブドールから手を離しモニターの前に移動する。
菜緒の部屋では両手で胸を押さえた菜緒が辺りをキョロキョロと見渡している。
「えっ、えっ、、、マジで?」
菜緒は辺りの気配を伺いながら電気を点けたままベッドに横たわった。
明らかに何かに怯えた様子である。
「マジか、、、、、感覚が、、、、、リンクしてる?」
ベッドに横になった菜緒をモニターで確認しながら今度は首筋を指先で撫でてみた。
すると今度は菜緒が首筋を抑えながら後ろを振り返る。
「ま、間違いない、、、、感覚がリンクしてるんだ」
確信した保坂は躊躇するどころか目を血走らせ、全裸になるとラブドールの横に添い寝をするように寝ころんだ。
胸を鷲頭噛みしようとしたことろで昨晩の警告音を思い出し、優しくフェザータッチで乳房の膨らみの根元に沿って愛撫を始めた。
モニターの菜緒は両手と両足で掛布団を抱きかかえ、大事な部分を守るように蹲る。
「隠しても無駄だよ菜緒ちゃん、、、、、いまから気持ちよくしてあげるからね」
