保坂は昨晩の練習通りにゆっくりと優しく上半身を愛撫する。
10分ほど経つとラブドールと触れている皮膚の体温が徐々に熱くなり、時より鳥肌のように小さな突起が全身に走る。
乳首へ愛撫する舌先の力を少し強めるとそれに応えるかのように堅く存在感を示す。
「菜緒ちゃん、、、感じてるんだね、、、これがセックスだよ」
タブレットから鳴る音に保坂がビクッとした。
その音は勇者が重要アイテムをゲットしたかのような音色だった。
タブレットの画面に目をやると『経験値』という欄にレベル1と表示されている。
「あれ?、、、、、、昨日はレベル3まで上がってたはずなのに」
昨晩は気にしていなかったが、保坂がラブドールで愛撫の練習をしている間に時よりこの音が鳴りその度に経験値レベルの数値が1つずつ上げていった。
この数値を自分の経験値だと思っていた保坂は意味もわからず勝手に誇らしく思っていた。
「これって、奈緒ちゃんの経験値ってことなのか?、、、感覚をリンクしたから今の菜緒ちゃんの経験値と同期したっとことか?、、、、、、、ってことは、菜緒ちゃんの経験値はゼロだったということ?」
保坂はこの卑怯な手段だということを重々理解したうえでも、奈緒の初めての男であるということに興奮し征服感を満たした。
モニターに映る菜緒はまだ同じ体制で何かに耐えるように蹲っている。
「ほんとにオナニーもしたことなかったのかな?、、、、、よーし、、、、、イカせてやる、、、、俺の手で、、、、菜緒ちゃんを」
上半身への愛撫を継続しながら片足を横に上げて『くの字』すると陰部を開帳する。
それでも直接陰部を触ることなく太ももや陰部の周りを優しく指先で撫でた。
タブレットの経験値が自分のものでは無いと理解した保坂であったが、昨晩の猛特訓の成果は確実に保坂自身の経験値を上げていた。
「あっ」
保坂の指先が陰部の下の方、いわゆる『蟻の門渡り』と言われる個所を撫でると指先に液体が付着した。
「なんだ、、、、、濡れてんじゃん」
保坂はニヤリとしてその漏れ出た愛液を流れ出てきた源泉に戻すように指を押し込むと、ニュルっと簡単に膣口に到達した。
モニターの菜緒は溜まらず上半身を起き上がらせ、また辺りをキョロキョロと見渡す。
保坂は指先で更に愛液を掬うと膣口を素通りして陰核の方へ移動させた。
菜緒はその感覚に耐えるようにベッド上でペタンと女の子座りをしてベッドに陰部を押し当てて、掛布団を強く抱きしめた。
「どう菜緒ちゃん?、、、これ気持ちいいんでしょ?、、、、知ってるよ」
陰核の包皮を捲ることなく陰核全体に愛液を塗り込むように何度も膣口から愛液を掬っては陰核に塗り込んだ。
そして胸への愛撫も加速していき乳首を口の中に含んで唾液いっぱいに舌で転がした。
「胸も弱いんだよねぇ?」
ラブドールの横に膝立ちすると両手を口を使って乳房と乳首と陰部を同時に愛撫していく。
タブレットに目を移すと一気に快感ゲージが50%を超えていた。
味を占めた保坂は、包皮の上から陰核がある場所を中指でゆっくり押してみた。
するとラブドールの顎が上がり、指先には包皮の奥に陰核のコリッとしたしこりが感じられる。
「初めての割には、飲み込みが早いじゃないか」
保坂がそのしこりをそのまま包皮ごと上下に扱くと快感ゲージが面白いように上がっていく。
包皮の中で陰核とその根元がまるで小さな陰茎がそこにあるかのようにどんどんと堅くなってゆく。
気付くと保坂自身の男性器の先端からも同じように透明な液体が分泌されそれ自体も最大限に膨張している。
だが今は自分の快楽より菜緒を気持ちさせたいう気持ちが勝り、自分の性器を無視して菜緒への愛撫に没頭する保坂だった。
「菜緒ちゃん、このままイケそう?」
保坂が陰核を攻めながら耳たぶをついばむと耳元をそうつぶやく。
モニターに映る菜緒の様子から性的な感覚が繋がっているが聴覚などは繋がっていないようである。
技のレパートリーが少ない保坂は単調な動きで陰核を攻め続ける。
それでも快感ゲージの数値は順調に伸びてゆき90%を超えていった。
「もうすぐイキそうだね、このままイッちゃおうか」
そう言うと包皮の中で完全に勃起した陰核を転がしながら、左右の乳首を交互に舐めていく。
いつの間にか『くの字』に曲げていた脚がピンと伸びてつま先に力が入っていた。
全身は熱くなり少し汗ばんでいるように感じる。
全身に力がこもっていくラブドールを見ていると後頭部が痺れるような興奮を覚える。
魔法のコピーラブドールにはそんな機能は無いが、あたかも保坂にも菜緒の感覚がリンクしているかのように菜緒の気持ち良さが伝わる。
「よし、イッちゃえ」
モニターの菜緒は、座っていることも出来ずそのまま顔をベッドに埋め快感に耐えるしか出来ないでいた。
快感ゲージが一気に上がって100%を超えた。
ラブドールの腹筋がビクビクと震えるのに合わせて全身の筋肉も収縮する。
菜緒にとっての初めての絶頂であった。
さっきまで頭を横に振っていたモニターの菜緒も肩をすぼめて全身に力を込めている。
菜緒が絶頂に達したと同時に、タブレットからあの安っぽい効果音が鳴り経験値がレベル2に上がった。
「はぁ、、、、はぁ、、、、、奈緒ちゃん、、、、、イッたね、、、、、イカせたんだ、、、、、俺が菜緒ちゃんをイカせたんだ」
興奮で息が荒くなる保坂は、奈緒が絶頂を迎えたところで少し冷静になりモニターの前に移って菜緒の様子を観察する。
菜緒も同じように冷静になったのか、また身体を起こして周りを見渡す。
と同時にショーツの中に右手を差し込むとすぐ抜き出して指先を見た。
「やっぱ菜緒ちゃんも感じてるんだ、、、、、濡れてるんだ、、、、リンクしてるんだ、、、、、お、俺が菜緒ちゃんをイカせたんだ」
菜緒が指先の匂いを嗅いで指先を擦り合わせている。
保坂はやっとこの魔法のコピーラブドールが本物であると確信した。
「これは、詐欺商品じゃない、、、本物だ、、、、、、本物の魔法だ、、、、、、やばい、、、すごいものを手に入れたかも」
保坂は少し怖くなりタブレットの電源を切るとラブドールを元のシリコンのラブドールに戻した。
昨晩と同じようにシリコンの冷たいラブドールに戻ると陰部から漏れていた愛液も無くなっていた。
最初に梱包されていた段ボールにラブドールを片付けるとモニターに映る菜緒の観察を続ける。
