『はいはい次ね』と言いながら真弓が割り箸を回収する。
割り箸を配るのはいつの間にか、真弓の役目になっていた。
そして、必ず目の前の割り箸を引く癖のある山田から配り、山田には無印が行かないように仕向け、何色を引いたかも記憶した。
こうやって、王様ゲームは真弓の支配下で進んでいった。
これで真弓と典子の一騎打ちだ。
しかし、次は典子が無印を引いた。
真弓はさりげなく自分の色を典子に見せる。
偶然見えたと思う典子は、天下を取ったような顔で命令を出す。
「王様、わーたし!、、、、えーとっ、、、、ピンクの耳を赤が1分間舐める~!」
典子がノリノリで命令した。
「ひどい、ノリ、、私、首が弱いの知っててっ!、、しゃーなし、ゲームだ、、ノリ覚えてろよ、よし、来い山田」
山田が、恐る恐る真弓の耳元に口を近づける。
そのゆっくりと近づく方が余計に真弓のゾクゾクを駆り立てる。
山田の口が、真弓の耳にたどり着くと、どうしていいか、わからずそのまま止まっていた。
それでも息は止められないので、興奮して早くなる呼吸が控えめに真弓の耳の穴に入っていった。
「ふぅう、、、、ふぅう、、」
真弓は呼吸を整えるように、耳にある山田の口を意識しないようにしていた。
「山田、ちゃんと舐めてるのぉ?」
典子が、煽ってくるので、山田は焦って口を恐る恐る開けた。
山田の口の中の『クチャッ』という微かな音が、真弓の耳から脳を通り抜け背筋に響いた。
「や、やぁぁぁぁ、、、あぁぁぁん、、」
真弓から色っぽい声が漏れた瞬間、真弓は自分の陰部の奥に変化が現れるのに気づく。
山田は真弓の声に自信を持ったのか舌を耳たぶに這わせる。
「ひゃぁぁぁ、だめぇぇ、、、」
真弓は本当に首が弱いらしく山田の手をギュッと握って耐えている。
その後も、指を舐める、首筋を舐める、鎖骨を舐める、背中を舐める、舌を舐める、おへそを舐める、唇を噛む、内ももを舐める、ブラの上から乳首を噛む、指を股に挟む、顔の上にお尻を乗せる、ショーツの上からアソコを噛む、ブラの隙間から乳首を見せる、ショーツのお尻をティーバックにして見せる、乳首を直接舐める。真弓と典子は、競うように過激な命令を出していく。
女の子同士の戦いは、どんどんとエスカレートしていった。
きっと、男の子が2人で女の子が1人の方が、まだ控えめな命令になりそうなものだ。
次に、典子が真弓のブラを取るように指示した時、真弓が冷静に言った。
「ねぇ、ここじゃあ、そろそろマズくない?、、山田、ウチくるか?」
真弓は、とうとう、最後のリミッターを外そうというのだ。
あの小さなガラス窓だけが、唯一の理性の砦だったというのに。
3人の雰囲気が、一気に変わった。
また真弓は、山田の返事を待たずに会計伝票を持ち、典子に服を着させて2人を連れ出す。
カラオケから出ると、当たり前のように山田がタクシーを止めて2人を後部座席に座らせ、自分は助手席に乗った。
何やら後ろの2人はコソコソと話していたようだが、2人の家に着くまでの20分弱、車内は静寂のまま移動することになった。
家が間近に迫り、真弓は買い物をしようか考えていたが、迷った挙句に最後のコンビニをスルーした。
「山田、今日ゴムないから、変な期待しないように」
真弓の言葉は、裏を返せば挿入以前の行為は許されるとも取れた。
残りの2人は、運転手さんが聞いていないどうかが気になり返事もしなかった。
また、3人に静寂な時間が訪れる。
真弓は、部屋の鍵を開けて、サッと先に部屋に入っていく。
典子が『狭い部屋ですけど、どうぞ』と山田を迎え入れる。
真弓は、部屋に干した洗濯物や、起きたままの布団をササッと片付けると、冷蔵庫の中からお酒を取り出す。
「こんなのしか無いけど、どうぞ」
山田は、緊張のあまり正座したまま、軽く会釈するばかりで、なるべくキョロキョロしないように、ずっとテーブルに置かれた缶ビールをみていた。
あまりにも緊張している山田をみて、2人は、またニヤニヤし始めた。
すると、真弓が最初に仕掛けた。
「山田、せっかく部屋飲みだから、、、私たち着替えてもいいかな?」
話しかけられた山田は、返事をする為に真弓を見ると、もう上半身裸だった。
山田は慌てて視線を缶ビールに戻した。
そんな、山田を見て典子も仕掛ける。
ちょうど山田の視線の先に、脱いだ服を落としていく。
ブラウス、ブラジャー、ズボンと。
山田の視線のすぐ右に生足の典子がいた。
左に視線を逸らすと真弓がいるので視線を動かせない。
「よし、着替えたから、ゲームの続きしよっか、とりあえず、じゃあカンパーイ!」
そう言われて、視線を自由にする山田の目に飛び込んだのは、Tシャツに下はショーツだけの格好で2人が床に腰を下ろした。
はっきりは見れないが、もちろんTシャツの下にブラはしていなかった。
「とりあえず、じゃあカンパーイ!」
「はい、やるよー!、、、割り箸持って来たから、、はい、引いてぇー」
真弓が、相変わらずゲームを支配している。
真弓は、二分の一の確率で無印の王様を引き当て、さっそく命令する。
「はい、私ね、、、、じゃぁねぇ、、赤とピンクが、初体験の告白をするー、、まずノリね」
山田がドキッとした顔でモジモジしだした。
「えぇぇ、そうゆうやつぅ?、、、えっとね、、、大学1年の夏、、、サークルの先輩と、、、、、えーと、痛くて早く終わってーって、思った、、、えー、、あ、手マンは、まぁまぁ気持ちよかったけどね、、外だったから、蚊は来るし、ほんとやだった、、、以上。」
「なに、勇希先輩と外だったの?、、、、、随分と安く済まされたねぇ、、はい、じゃあ、山田」
典子のエピソードを聞いて、尚更、山田は下を向いて困っている。
「え、えー、言わなきゃですよね、、、笑わないですか?」
真弓が、山田の隣に近づき顔を覗き込む。
